最初の会社で、仕事をほっぽりだして、逃げ出した。
風俗の女性にお金を貢ぎ込んで、生活が回らなくなり、自殺をしようとしたのだ。
いつも借金取りから電話があり、親からも近況報告をしろとの、留守電の嵐。
まともに仕事ができなくなり、人生を放棄する旅に出たのだ。
旅という名の家出はしたが、自殺は思いとどまり、警察に保護された。
そのまま仕事をやめ、風俗嬢に、復讐を誓って生きていたのだ。
そんな中、大河ドラマの風林火山を見た。
市川猿之助、当時亀治郎さんが演じる武田晴信が、
大望がなければ恨みを晴らしたとて何になる
と、山本勘助に一喝するシーンに衝撃を受けた。
山本勘助は、つまのミツを晴信の父親の、武田信虎に殺されてしまったのだ。
そのシーンが衝撃すぎて20年たった今でも時たま見返している。
絶望の淵にいるときこそ真の大望が見える。
それ以来、猿之助さんの信奉者となり、いつもそのセリフとともに生きてきた。
猿之助さん、苦しい今だからこそ、じっとこらえ、大望を見定めるとき。
命が助かることを願うばかり、家族は無くしたとしても、そのお命は無くさぬよう、もう一度その心、そのお姿を見せてほしい。